-心くつろぐHYGGEな時間-
こころぐ vol.17
週2日だけオープン! パン教室から
はじまった美味しいパン屋さん
心までハレにするファッションブランド「Marisa Grace(マリサグレース)」から生まれた、暮らしにまつわるモノやコトを紹介するコラム「こころぐ」。北欧デンマーク発祥の「ヒュッゲ」という価値観を取り入れながら、心くつろぐ時間をお届けします。
素材にこだわり、丹精込めて焼き上げられたパン。そんな作り手の想いが詰まった美味しいパンを食べると幸せな気持ちになりますよね。
今回は「新しいパン屋さんを開拓してみたい」「いつもと違う場所に足を運んでみたい」というパン好きさんにおすすめのお店をご紹介します。少しずつ暖かい日が増えてくるこの季節。美味しいパンを目的にお出かけしてみませんか?
神奈川県鎌倉市の住宅街の一角。お店があるとは思えない静かな場所にひっそり佇む「こだわりRinaのパン工房」。ここはパン教室を26年営んできた土屋利奈さんが、自宅の一部を改装し、2025年1月にオープンしたパン屋さん。ショーケース越しにパンの注文を受ける対面スタイルで、訪れたお客さまと楽しげにおしゃべりする姿が印象的です。
小麦はもちろん、卵、牛乳、フィリング(具材)に至るまで国産の上質な材料を厳選し、すべて白神こだま酵母や自家製酵母を使って作られています。
パン屋さんの朝は早い。製造から販売まで一人で行っているため、かなりのハードスケジュールのはずですが「パンづくりって楽しんですよ」と笑う土屋さん。家族との時間を大切にしたいという想いから、お店を開くなら自宅でと決めていたそうです。
セミドライトマトをライ麦入りの生地で包み、チーズをたっぷりのせたトマトチーズパン。ジューシーなセミドライトマトの酸味とチーズのコクが相まって、噛むほどに旨味が溢れます。
「何でも買えば手に入る昨今、子どもたちにも本物の美味しさを知ってもらいたい」という思いから、手作りにこだわり、手間を惜しまず、ひとつひとつ時間をかけて丁寧に焼き上げられています。
ふわふわに焼き上がったフォカッチャ。セミドライトマトとオリーブ入りで、そのまま食べるのはもちろん、食事に合わせても美味しくいただけます。
この日も30種類以上のパンや焼き菓子がショーケースに並びます。これだけの種類をワンオペで作っているというから驚き!
季節や食材の仕入れによってラインナップが替わるので、訪れるたびに新しい発見がありそうです。
※商品の価格は取材時のものです。
ウィンナーパンとちくわパン
食べ応えのある惣菜パン。ウィンナーパンは、パキッとはじけるロングウィンナーにシュレッドチーズとケチャップ、粒マスタードが好相性。北海道が発祥というちくわパンは、ちくわの穴にツナマヨサラダを詰め込んだクセになる美味しさです。
ノア・ブルー
ゴルゴンゾーラチーズをパン生地に練り込み、仕上げにアルゼンチン産のはちみつをかけたノア・ブルー。もっちりした食感ながら歯切れがよく、チーズの塩味とはちみつの甘さが口の中で溶け合います。
リュスティック
「切りっぱなし」という意味がある素朴で味わい深いリュスティック。この日のラインナップは、甘さ控えめのマロングラッセが入った栗と胡桃のリュスティック、噛むほどに香ばしさが広がるライ麦フルーツのリュスティック、アガベシロップを使ったレモンピールと白チョコのリュスティックの3種類。
メロンパンとオレンジショコラ
おやつにおすすめの甘い系のパン。メロンパンは、甘さ控えめのクッキー生地をのせて焼き上げ、外はカリッと中はふんわりした食感に。オレンジショコラは、カカオの風味豊かなヴァローナのチョコレートと自家製オレンジピールを使ったほろ苦くさわやかな味わいです。
パン教室の予約はWebサイトから。入会金はなく、1回限りの参加もOK。マンツーマンで受けることもできます。メニューから好きなパンを選んで作ることができ、講師の資格を取るためのレッスンから、ワークショップ感覚の1dayレッスンまで気軽に参加できるのが魅力です。
(さいごに)
「こだわりRinaのパン工房」の物語はまだ始まったばかり。取材に訪れた日は、電気工事の都合で大型オーブンが使えない状態でしたが「設備が整ったら、バゲットやカンパーニュなど、ハード系のパンの種類を増やす予定です」とのこと。お出かけの際は、オープン日のチェックをお忘れなく!
土屋利奈さん
結婚を機にパン作りを始め、1999年より自宅でパン教室を始める。2004年に「白神こだま酵母パン教室」の師範免状を取得。2011年、著書「ホームベーカリーで白神こだま酵母パン(講談社)」を出版。2025年1月、自宅の一部を改装し「こだわりRinaのパン工房」をオープン。
[こだわりRinaのパン工房]
神奈川県鎌倉市玉縄2-23-13
営業日:水・木曜日
営業時間:11:00〜18:00
※季節によって変更する場合があります。
http://rinapan.bitter.jp
撮影:竹下アキコ
取材・文:鞍田恵子