ピックアップ

-心くつろぐHYGGEな時間-
こころぐ vol.19

2025.07.01

-心くつろぐHYGGEな時間-
こころぐ vol.19


繊細な手仕事から生まれる、
凛として美しいビーズアクセサリー

心までハレにするファッションブランド「Marisa Grace(マリサグレース)」から生まれた、暮らしにまつわるモノやコトを紹介するコラム「こころぐ」。北欧デンマーク発祥の「ヒュッゲ」という価値観を取り入れながら、心くつろぐ時間をお届けします。

いよいよやってくる夏本番。まぶしい日差しとともに暑さも最高潮に。そんな暑い夏は、どうしてもシンプルな着こなしになりがち。T シャツ+ボトムのワンツーコーディネートで済ませてしまう人も多いのではないでしょうか。
けれど、夏は着こなしがシンプルになる分、アクセサリーで遊べる季節でもあります。そこで今回は、夏の着こなしに映える“akiko tamai”のビーズアクセサリーをご紹介。素敵な作品が生まれるアトリエにおじゃまし、作品や制作風景を見せていただきました。



ご主人の建築事務所の一角にアトリエを構える“akiko tamai”の庄野章子さん。大きな窓から入ってくる明るい光を浴びながら制作する姿は、どこかゆったりとした時間が流れているように感じられました。
カフェやギャラリーで不定期にワークショップを開催していて「いずれはアトリエでもワークショップやビーズ教室を開催したい」といいます。



庄野さんが生み出すアクセサリーは、どれも手仕事ならではの温かさがありがなら、構築的なデザインが特徴。大学時代は建築を学んでいたと知って、妙に納得しました。



作品は展示会や取り扱いショップで購入することができます。展示会ではその場でお持ち帰りできるものだけでなく、サンプルを見ながら色や形をカスタムオーダーすることもできるそうです。



カスタムオーダー用のサンプル。組み合わせが無限にあって迷いそうですが、選択肢が多い分、ほかの人と違ったものを持てるという満足感があります。ビーズ単体で見るよりイメージしやすいのが嬉しいですね。



ビーズとの出合いを聞くと「大学を卒業後、メディアアートを学びましたが、進路に悩み、アルバイト生活をしていた時期がありまして。そのころ、手芸店でたまたま目に入ったのがビーズでした」とのこと。数ある材料のなかでビーズを選んだ理由は「初期投資が少なかったから」と庄野さんは笑うけれど、ビーズとの出合いは必然だったように思えます。






ビーズとワイヤーのオブジェ。「同じものをたくさん作るより、新しいものを作るのが好き。アイデアが出尽くしたと思っても、色やステッチを少しかえるだけで新しいアイデアが浮かぶんです。失敗から、これもアリかなと思うこともあります」と庄野さん。



制作する傍らにあるワゴンには、きちんと整理された工具や資料が。お子さんが生まれるまでは、ビーズ以外のモノづくりもしていたそうですが、小さいお子さんにとって危険な作業や工具が多かったため、徐々にビーズワークに絞っていき、今の作風が確立されていったのだそうです。



アイデアや図案、作り方のプロセスなどが細かく書き込まれたノート。そこには庄野さんの世界観が広がっていて、見ているだけでワクワクします。



立体的なモチーフに詰めるフェルトシート。ファイリングすることで、偶然できた切れ端が何かの形に見えてくるから不思議。



箱には目がないという庄野さん。雑多なものは箱をうまく使った収納で、実用性と見た目の心地よさを兼ね備えています。丸い箱は、和紙造形作家 ・にしむらあきこさんの作品。長方形の箱は、和紙職人・ハタノワタルさんの作品。



ワークショップのときコンパクトに持ち運べるようにと、ビーズの容器がすっきり収まる箱を購入。色別のグラデーションに収納されたビーズは、同じものの色違いに見えて、形の違うものや色の加工が施されたものなど、さまざまな種類があります。

(さいごに)

シンプルなコーディネートにプラスするだけで、素敵な雰囲気をまとうことができる“akiko tamai”のアクセサリー。ビーズの透明感が夏にぴったりですが、庄野さんが作るアクセサリーはシックで無機質なデザインも多いので、一年中楽しむことができますよ。

akiko tamai 庄野章子さん


直径1~2 ㎜の小さなガラスビーズを糸でつなぎ、大人もこころ踊るビーズアクセサリーを目指し制作。昨年からワークショップを開始。今後はさらにビーズワークの楽しさを共有する機会も増やしていく予定。

https://www.enocoro.com/beads/
Instagram:@akiko.tamai_beads

撮影:竹下アキコ

取材・文:鞍田恵子

【FEATURE】