日々の暮らしに”ハレの日”を
ハレのコト。vol.9
伝統的で新しい。繊細に輝く
ジュエリーのような水引アクセサリー
「心までハレにするMarisa Grace(マリサグレース)」と 「忙しい女性を応援するSTORY(ストーリー)」から生まれた、 日々の暮らしをちょっとだけ特別にしてくれる“ハレのコト”をご紹介するコラムです。
古くからご祝儀袋や金封に用いられ、日本人の美意識が深く感じられる水引。
そんな伝統的な水引を使ったアクセサリーが注目を集めています。なかでも結び屋虹園の菊田奈々さんが作るアクセサリーは、伝統を重んじながらも時代に合わせた変化を取り入れ、まるでジュエリーのように繊細な輝きを放ちます。
物事を浄化し清め、邪気を払う力があるといわれる水引は、身につける人にとってお守りのような存在になってくれることでしょう。
[水引とは]
祝儀袋や不祝儀袋に用いられる飾り紐のこと。
和紙をこよりにし、水糊を引いて固めたことからその名がついたといわれ、包みを留める役割だけでなく、結び方や色、本数によって贈り主の心が表現されています。
主に「未開封の証、魔除け、縁結び」の3つの意味があり、現代では、ひもを引いて結ぶことから「人と人を結ぶ」という意味で用いられることが多くなっています。
[ジュエリーのような水引アクセサリー]
シルバーやゴールドの水引を使ったアクセサリー。ジュエリーのようでありながら、手仕事ならではの揺らぎや趣が感じられます。
「水引自体は普遍的なものですが、金属に見えたり革に見えたり、視点を変えるといつもと違うものに見えてくるんです」と菊田さん。
手に取ると、見た目よりずっと軽いことに驚きます。「繊細に見えて、じつは軽くて丈夫なのも水引のおもしろいところ」なのだそう。
「オリジナルの結び方を生み出すより、基本の結び方をアレンジするのが好き」。そんなところにも菊田さんの真髄を感じます。
ファッションの一部としてデザインされた、布でも金属でもないコスチュームジュエリー。ゆるやかな丸みをもたせることで、デコルテにしなやかにフィットします。
つけ襟ネックレス(オーダーメイド)
梅結びをベースにアレンジを加えた華やかなデザイン。フェイスラインに沿うよう左右非対称に作られています。黄色い玉結びがプリミティブなエッセンスに。
イヤリング6,600円
レースのような美しい透かし模様のブローチ。一見、無造作にねじったように見えて、じつはあわじ結びの連続で構成されています。
軽くて服への負担が少なく、垂れ下がることもないので、薄手の生地やニットにも安心してつけることができます。
ブローチ 各6,600円
存在感がありながら、さりげなく髪に馴染むピアス。「黒は仏事に使われる色ですが、祝儀も不祝儀も根本にあるのは相手を大切に思う心なので、アクセサリーとして楽しんでもらいたい」といいます。
ピアス(左)22,000円、(右)4,620円
アシンメトリーにデザインされたネックレスと、縦長のシルエットが印象的なロングピアス。ネックレスは長さが調整でき、重ねづけも楽しめます。ビーズは樹脂素材なので、見た目より軽いつけ心地です。
ネックレス12,100円、ピアス11,000円
台湾茶の香水ブランド「P.Seven」とコラボしたピアス。お茶をイメージしたグリーンの水引がアクセントに。サイズの違うトライアングルが耳もとで神秘的に揺らめきます。
ピアス13,200円
プロフィール
結び屋虹園 菊田奈々さん
造形作家、グラフィックデザイナーを経て、古から伝わる「むすび」から文化や言語を研究。むすびに込められた意味や叡知を元に発想し、まとえる縁起物としてアクセサリーや小物に仕上げ、全国各地を回っている。
https://couen.net/
※掲載した商品の価格は、すべて税込みです。
撮影:竹下アキコ
取材・文:鞍田恵子